待ちに待った景色が見られる場所。高見石から望む白駒池だ。
テトラポットを積み重ねたようにゴロゴロとした岩塊に登ると、緑の樹海に静かに水を湛えた白駒池。
抜けの景色は青空で、遥か眼下の八千穂高原には白い雲が浮かんでいる・・・とはいかなかった。
憧れの景色には出会えなかったが、そこまでの行程をおさらいしたい。
白駒荘脇から高見石小屋までは、行程図では45分程かかると記してある。
森林限界には全然達してない標高2,000m付近では、深い樹木が生い茂っているので、鬱蒼とした登山道を
行くのだろうと思っていた、そのまんまの道が待っていた。
雨上がりの木道は、ヌルヌルと滑り易くトレッキングポールさえ頼りなく感じる。
しばらく木道が続いた後、苔むした岩とぬかるんだ道がつづく。富士山とは違って、馬鹿みたいにひたすらの
上り道ということはなく、たまに険しくなる程度で登り始めにしてはちょうど良いウォーミングアップになる。
しかし何と言っても足場が悪い。何故か丸みを帯びた岩ばかりで、特に滑り易いのだ。
その丸みを帯びたヌルヌルの岩肌を見ていると、ボディビルダーの肉体のようにも思えてくる。
ただし転んだとしても、ボディビルダーのように優しくは抱えてくれないだろうが。
そんな深い樹木帯をひとり歩いていると、不意に恐怖にかられる時もあったが、写真を撮りつつ
必死に登っていると、防寒のために着ていた雨具のせいで、汗が額からこぼれる。
木々の高さがやや低くなり、空が近くに感じられるようになってしばらくすると、広場に出た。
「高見石小屋」に到着したのだ。時間は9時半頃。30分もかからずに到着できた。
急いだ訳ではないが、目安時間より大分早く着くもんなのか。
そこからは急ぐように、小屋の裏手にある岩塊を登って行く。早くあの景色が見たいからだ。
岩にある赤い丸印を頼りに登って行くと、眼前に広がっていたのは、霧だけだった・・・。
さっきまで白駒池周辺は視界良好だったのに、ものの数十分で霧に包まれていた。
これは残念過ぎる光景だったので、少し岩の上で待つ事にした。
15分くらい経った頃、うっすら霧が晴れていき、更に待つと完全に白駒池が覗けるようになった。
青空ではないが、憧れの景色を前にシャッターを切って行く。
すると樹海の中から人の声が聞こえてきて、やがて高見石へと2パーティ程が登ってきたので、
挨拶を交わし場所を譲ると、再び小屋へと下りてきた。
先程より全体的に霧が晴れ、周辺の山も見え始め、行く手の方向も確認しやすくなってきた。
防寒着をザックへ入れ、次は中山方面へと歩みを進める。
つづく・・・
<Canon EOS 5D>
EF24-105mm F4
L IS USM
つるつる、ヌルヌル。
突然こんなモノが視界に飛び込んでくると、少なからず驚くものだ。
高見石小屋
高見石へは、小屋の裏手からアクセスする。
ペンキの赤丸を辿って。
残念な景色。
霧が晴れてきた!
EF70-300mm F4.5-5.6
DO IS USM
EF24-105mm F4
L IS USM
高見石から高見石小屋。
行く手の山。
午前10時半前、中山方面へ。