中山のピークらしきものを越えると、狭い岩場の急な下りに差し掛かった。
下りながらも時折見える八ヶ岳を代表する山々が垣間見える。
やがて「にゅう分岐」に着いた。八ヶ岳の南北に走る主稜線へ出たのだ。
北へ行けば「にゅう」南へ行けば「中山峠」のにゅう分岐で、時間に余裕があれば南へ向かおうと思っていた。
まだ昼前だったので中山峠へ向かい、その近くにある「黒百合ヒュッテ」で昼休憩をしよう。
中山峠へ向かう道は稜線だけに、平坦で歩き易く足取りも軽い。しかし西側のなだらかな樹木帯に対し、
東側は切り立った絶壁になっている。たまにロープが張っていて誤って落ちないようになっている所さえある。
なるほど地図を見ると、等高線が密になっていた。どこまでも続いていそうな樹海が眼下に広がり、
雲間から急峻な「東天狗岳」と穏やかな「西天狗岳」の双耳峰が見える。
天狗岳の奥には爆裂火口を有した「硫黄岳」が立ちはだかっていた。
いつか征したい峰だ。
少し下り勾配になり、大きな岩をいくつか越えると、おばさん達が道を塞ぐように食事していた
「中山峠」に辿り着いた。
ここは交差点になっていて、東は「みどり池」へ、西は「黒百合ヒュッテ」へ道を分ける。
予定通り西へ。ほぼ平坦な木道を5分程歩くと広い「黒百合平」に出た。
ヒュッテ前で荷を下ろし、おにぎりやパンなどで食事を摂った。他に2人いた登山客はワンバーナーを
使い、簡単な料理をしていた。
黒百合ヒュッテの玄関の中に入ってみたが、人の気配が感じられなかった。中の様子も見えなかったので
入るのを躊躇してしまった。玄関横の土産売り場兼カフェ「チョコレートリリー」も誰もいず、中を見渡し
出てきてしまった。
虻と蜂に集られながらも昼食を済ませ、充分に休憩した後、再び来た道を戻って行く。
午後12時45分のことだった。
つづく・・・
<Canon EOS 5D + EF24-105mm F4
L IS USM>
中山峠
黒百合ヒュッテ
にゅう分岐へ
天狗岳、硫黄岳方面
にゅう
にゅう分岐
中山峠
黒百合平へ
カフェ「チョコレートリリー」
青空が出てきて気持ち良いが、入道雲が気になるところ・・・
中山峠付近でよく目に付いた高山植物「コイワカガミ」