朝4時頃、みんなが動き始める物音で目が覚めた。夕方に寝たから途中何度も起きてたけどね。
それより、ガスは晴れて夜明け前の星空を撮影できるかな?と、支度をして外へ出てみた。
結果は残念な状況で、昨夜よりも濃い霧に覆われている。しかも雨もパラついていた。
夜中は大雨だったらしい。水たまりもある。。
5時の朝食30分前には、すでに食堂への行列ができていた。朝食は夕食と違って、早いもん順なのだ。
とは言え2階にまで及ぶ行列に並ぶつもりはなく、列が食堂へ吸い込まれた後に食堂へ入っていっても
満員にならずに最初の組で食べられたが、食堂の窓に景色は無く、気持ちが盛り上がらない。
食後はそのまま下山しようか、予定通りのプチ縦走をしようか迷っていた。
昨夜ロビーに貼り出されていた気象庁の槍ヶ岳付近の天候は雨か霧。山行前に見ていたヤマテンの予報は
夜から朝にかけては霧でも概ね晴れだったのにな。
自分は経験上、気象庁の山の天気に信用は無い。ヤマテンを信じていたので、微かな希望は持っていた。
食後に小雨の降る外に出て考えた。ここまで来るチャンスはなかなか無いから、こんな状況でも槍の穂先へ
登っておくべきか?翌日の富士登山も考えて、またの機会に登り直すか?
小屋の裏手に回ると飛騨側が若干晴れてきていたので決断した・・・登らないと後悔する!
防寒対策をしてカメラを持って、槍の穂先に取付いたのが5時半。岩場は当然濡れている。
山頂はガスに包まれている。高度を上げて行っても、足元もガスっているので高度感もさほど無い。
朝イチのこの天候で登っている人は少なく、自分のペースで登れはするが、岩場が滑るので慎重に着実に
三点確保で登っていった。
ハシゴやクサリ場よりも、中盤にある凹凸の少ない岩に鉄杭が打ち込んであるところが一番緊張した。
登りと下りが大体別ルートになっていて、天候に見切りをつけた先行者がひとり下りてきた。
それは前日からよく話しをしていた人だった。「ガスってて全然ダメだから下りてきました。」と言う。
「さっきよりちょっと晴れてきてるし、自分晴れ男っすから晴れるんじゃないすかねぇ!」と言うと、
その人は再び登りルートに合流して、一緒に登ることになった。
終盤の5mハシゴを登り終えると雲が明るくなってきた。山頂への最後の9mハシゴを登り切る手前で
山頂から絶叫とも思える歓声が湧いてきた!
自分が山頂に立った2013年8月27日5時49分、上空には青空が広がりだし、雲海から太陽が登った!
見る見る槍ヶ岳山頂から霧が晴れてゆき、360度の大展望が広がった!
スゴイ!スゴ過ぎる光景だっ!(涙)
こんな狭い雲上の楽園で、10人にも満たない自分を含めた見ず知らずの連中との喜びの共有感ハンパなかった!!!
(つづく)
<Canon EOS 6D + EF24-105mm F4
L IS USM>
諦めて下山する人も多かった
朝食は5〜7時
飛騨側が晴れてきた
依然、槍はガスの中だけど、後悔しないために登る!
↑ と ◯ が頼り
雲間が晴れてきた
小槍が不気味にそそり立つ
最後のハシゴに取りかかると、光が射してきた!
頂上は喝采