2015年 03月 10日
「ひと昔前のMAZDA車では、想像もできなかったですよ〜」 「素晴らしいクルマをお売りできるので幸せですね〜」 近所のディーラーの営業課長の言葉である。これ、実に心の奥から出た言葉であろう。 それだけMAZDAは「(生まれ)変わった」のだと思う。 CX-3のデビューナイトイベントへの参加を応募して、幸運にも当選し、当日仕事で行けなくなるほど このクルマに惚れてしまっていた。 先日デミオに試乗しまくったのも、プラットフォームを共用しているこのクルマを見据えてたからに他ならない。 今回の試乗にあたっては、心持ちがただの試乗ではない。なぜなら真剣に購入までを見据えているから。 そして試乗をするなら、悩みどころでもある「FFかAWDか」「AT車かMT車か」、本当ならそれぞれを 乗り比べてみたい。アポなしで近所のディーラーへ行ったにもかかわらず、AT車とMT車両方の試乗車の 用意があったのは幸運だった。残念ながらAWDはディーラーサイトで検索しても県内にはなかった。 AWDは寒冷地メインなのだろう。 しかしこのCX-3、MAZDAは相当力を入れていることが窺える。発表前なのにディーラーには3台も展示車が 用意してあったし、豪華なデビューイベント、さらには大量出稿のネット広告と、オーナーに車両価格に隠された 多額の広告料を支払わせる気なのだろうかと心配になる。 それでは、下記より試乗記をご覧いただきたい。 <iPhone 6> 何度も言っているクルマ選びのポイントは、デザインや価格は当然として「車重」「トルク」「燃費」など マニアックなところに及んでくる。 しかしまず何故にこのクルマがビビビッと来ているかと申しますと、元々若い頃はハイラックスサーフや CR-Vと言ったアウトドア方面のクルマに乗っていて、大人になって軽量コンパクトで高効率なスポーツカーに シフトして行った経歴がある。 そこにここ数年来の筆頭趣味でもある「山登り」をこじらせて、冬期登山をするまでに及んできた。 3シーズンの山登りだけであったなら、今のCR-Zで申し分ない。ひとりで山へ行くのがほとんどだし、 ハイブリッド車ならではの燃費も、距離を走るからには助かっている。 それが、冬山への誘惑に囚われるとスタッドレスを履いた四輪駆動が必須になってくる。 しかも3〜4人で行く登山も愉しいだろう。それには使える後席が必要不可欠なのである。 そんな揺れ動く「男心」の前に現れたのがCX-3なのだった。 ただのSUVでは、デカくて燃費も悪くデザインも無骨で高価。CX-3はと言うと、コンパクトで燃費も良く デザインも秀逸で、手を出せない価格ではない。これに尽きるのだ。 ではもう話しが早い、AWD仕様は確定だ。そこに最近MAZDAはi-ACTIV AWDを発表した。 マツダは本気で「FF車よりも燃費の良い四駆」を作ろうとしている。CX-3のFFとAWDでカタログ燃費に あまり差がないのがその証拠。 機構としては珍しくないパートタイム四駆だけど、路面付近の温度やドライバーにもわからない車輪の回転差、 ワイパーの動き、斜度、加速Gなど27ものセンサーの情報を200分の1秒ずつセンシングしている超カシコイものだそうだ。 滑ってから後輪に駆動を伝達する普通のオンデマンド式ではなく、滑る前に駆動を最適化しているんだって。 それでいて高効率を追求しているから燃費が良いらしいのだ。 AWDは車重も増えるし、燃費が悪くなってしまうと言う「ネガ」を極限まで排除している。素晴らしい。 前置きが長くなったが、試乗記はここから。まずは試乗した順にAT車の感想をば。 乗った感じはデミオよりやや高い着座位置だけど、SUVとしては低い部類だろう。地を這うような低重心なクルマこそ 正義と思ってきたが、これは仕方がない。車体感覚は掴みやすいけど、フロントの見切りはわかりづらかった。 ディーゼルのアイドリング音は静か。走り出しの微低速域でカラカラ音が気になる程度。走り出してしまえば その音はまったくと言っていいほど気にならない。 このCX-3、エンジンラインナップがディーゼルのみなのだ。他がハイブリッドや電気を開発してる間に コツコツとディーゼルをやってきたことが、今ここに開花している。 山坂道を走った訳ではないから、トルクフルな感じは存分に味わえないが、出力は相当期待できるだろう。 気になったのは低速域からの加速にもたつきを感じたこと。SKYACTIV- DRIVEのミッションはほぼ全域で ロックアップして、高効率なはずなのに、あのもたつきはどこに由来するものなのだろうか? キックダウンの制御がまだ学習されてないからなのだろうか?シングルターボゆえなのか? ちょっとした不安要素はあるが、ATは圧倒的に楽に運転できるからいい。 それと燃費に貢献するキャパシターのi-ELOOPや、ディーゼル独特のノック音を打ち消す世界特許ナチュラル サウンドスムーザーはAT車のみ装備することができる。なんでMT車には付けられないのだろう?? お次はMT車に乗り換えての試乗だ。これが本命かなと思う点は、やはり燃費を追求してしまう自分の性(さが)だろう。 今まで乗ってきたスポーツカーと比べれば、ポジションはやや低く手前に配置されたシフトノブではあるけど SUVにしてはまぁまぁショートストロークだし、さすがロードスターやRX-7を持っている会社だなと思った。 コクコク入って気持ちの良いシフトフィールでもある。走り出しから感動するのは、まったくエンストの怖れが ないこと。余裕のトルクからか、クラッチミートは実にイージーだ。気になるのはクラッチペダルを戻した際 やや手前に来過ぎることくらいか。走っての感覚は、デミオのMT車試乗の時に話しは戻るが、デミオはギア比が 1速と2速が離れ過ぎていて、全体的に好感が持てなかった印象だったのに、CX-3に関しては全くその気配は無かった。 実は事前にギア比を調べていて、最終減速比の違いはあれどデミオのそれとは違い1速がそこまで長くないとは わかっていた。そのギア比とトルクのおかげで、とてもイージーなMT走行が愉しめた。 軽量コンパクトのSKYACTIV-MTは燃費への貢献度も高いので捨てがたい選択肢ではある。まだまだ悩みたいところ。 ボディやサスペンションのことは、あまりに短い試乗走行なのでよくわからないと言う感想が正直なところ。 それでも「悪くない」と思った。「良し悪し」に言及できる程走っていない。加減速やコーナーなど 普通に申し分なく心地よかった。SUVの高重心感は無いし、安定していた。 ここで「トルク」や「燃費」について話したい。重要なことだから。 CX-3のディーゼルエンジンはデミオと同じ1.5リッターエンジンだ。しかし27.5kgmとデミオよりトルクが太い。 AT車比で2.0kgm、MT車比で5.1kgmもCX-3の方が太いのだ。ガソリンエンジン車の3リッタークラスくらいの トルクがあるし、しかも実用の1,600〜2,500rpmの低回転域で発生させているのが素晴らしい。 デミオではなぜかAT車とMT車で差をつけてたトルクがどちらも一緒。 それぞれのカタログ燃費と車重に関して言うと下のようなことになる。 2WD AT車 23.0km/L 1,260kg 2WD MT車 25.0km/L 1,240kg AWD AT車 21.0km/L 1,330kg AWD MT車 23.4km/L 1,300kg (ちなみにi-ELOOP仕様車の燃費は無視している) これらの実用燃費が実に気になるところだが、それは徐々にネットで明らかになってくるのを待とう。 このCX-3、AT車もMT車も価格が同じ。燃費と愉しさを追求すればMTだけど、イージーさとリセールバリューを 考えたらATかなと。まだ買ってもいないのに何言ってんだか。。 デミオと違ってMT車でもAWDを選べるところが、さらに悩ましくさせるよね。ATかMTかは、まだまだ悩み続けよう。 それと、デミオの共用パーツの多いCX-3だけど、質感の高さは言うまでもなく抜群! デミオより大幅に高額なクルマだけに、質感はさらに良くなってます。 でも最上級のL-Packageの本革シートはデミオの方がまだマシかな。白い本革シートが冷たい印象を受ける。 唯一良いと思ったのは、ドアの内張りがステッチの入ったスエード調の内装でとても良い。 本命の中間グレードXD Touringは、黒い内装がシックで赤いパーツがキラリ☆と映えてカッコいい。 アウディ顔負けの赤いリングのエアコンの送風口はオシャレ過ぎる。 嬉しいのはバックモニターが標準装備されていて、マツダコネクトの画面で後方が見られることだった。 帰ってプライスシートを見ていて気づいたことがあった。これは営業も見落としてた点だろう。 最上級グレードには標準装備されているシートヒーター。あれば素敵だけど、最上級グレードには手は出せないし 前述した通り白い本革シートは好きになれない。ところがである、AWD仕様には中間グレードにも、 シートヒーターが標準装備されているのだ!これはAWDが寒冷地で選ばれるからのことだろう。 これで決まったことは、AWD仕様で中間グレードのXD Touring。 あとはMTかATか。そしてカラーだろうか。そして、購入時期はいつか?10月の車検までには答えを 出せねばならないだろう。来シーズンの冬山を楽しむためにも・・・。 【朗報】2月までだったクリーンディーゼル補助金が9月まで延長したとのこと。 デミオは3万円くらいしか補助されなかったらしいのだが、CX-3だと10数万円!補助されるらしい。 AWD仕様分は取り返せないけど、これは助かる制度である。是非予算が枯渇する前に補助を受けたいものだ。
by ymgchsgnb
| 2015-03-10 08:00
| test ride
|
Comments(0)
|
アバウト
カレンダー
生業 → テレビっ子
性別 → 晴れ男 性質 → アウトドア好きの引きこもり 居城 → 相模國 好物 → 生魚 / メンマ / サラダバー 写真 / 運転 / / 都市伝説 / 山 嫌物 → モクモク / ジメジメ スギ花粉 タグ
食事(617)
EF24-105mmF4L IS USM(558) EOS 6D(413) EOS 5D(408) iPhone 12 Pro(314) EF35mmF1.4L USM(279) 日本百名山(251) iPhone 7(235) EF70-300mmF4.5-5.6 DO IS USM(226) 東京(161) LUMIX DMC-FX7(155) EF100mm Macro F2.8L IS USM(142) 観光(136) スナップ(134) 車(133) 北アルプス(129) 山梨(105) 神奈川(104) 出張(95) 富士山(94) Screen Shot(89) 沖縄(82) 八ヶ岳(82) 花(81) iPhone 3G(78) PowerShot S90(76) 現場(70) 伊豆(69) 夜景(69) iPhone 6(67) 紅葉(65) EF50mm F1.4 USM(65) 世界遺産(65) 長野(58) 日本二百名山(58) iPhone 4(58) Apps(56) 槍・穂高連峰(55) iPhone 15 Pro Max(53) 群馬(51) キャンプ(50) 奥秩父(49) 静岡(49) 動物(42) 鎌倉(42) ポタリング(41) iPhone 5(40) 花火(40) 休日(39) 横浜(39) 千葉(38) RICOH GR DIGITAL lll(37) 埼玉(35) 京都(33) 栃木(32) 日本三百名山(31) 南アルプス(30) 新潟(28) 江ノ島(27) マカオ(27) 岐阜(26) 石川(25) EOS 7D(25) 広島(25) 祭り(25) 福島(25) 映画(24) 三重(24) 丹沢(23) 愛媛(22) 後立山連峰(21) 奥多摩・高尾(21) 茨城(20) 愛知(20) アップル(20) ロケ弁・ケータリング(19) 医療(18) 中央アルプス(18) 軽井沢(18) 動画(17) マクロ(17) 台湾(16) 北海道(16) 和歌山(15) 奈良(15) 家電(15) iPad Wi-Fi(15) 香川(14) EF70-200mm F2.8L USM(14) 箱根(14) アウトドア用品(14) 岩手(14) 山口(13) 宮城(13) 大阪(13) 長崎(13) EF24-70mm F2.8L ll USM(13) 福岡(13) 兵庫(12) 尾瀬(12) フランス(12) 青森(12) 滋賀(11) 徳島(10) 天子山地(10) 高知(10) 谷川連峰(10) 鹿児島(9) 秋田(9) 熊本(8) iPad Pro 2018(11inch)(8) 富山(8) 星景(8) 岡山(7) 返礼品(7) Carl Zeiss Planar T* 1.4/50(6) 立山連峰(6) 山形(6) EOS 1N(6) 宮崎(6) 鈴鹿セブンマウンテン(6) 福井(6) PowerShot S40(5) 島根(5) 佐賀(4) 大分(4) EOS 5D Mark IV(3) ニュージーランド(3) EF28-70mm F2.8L USM(3) EF25ll(3) Old Photo(3) 鳥取(3) ハワイ(2) メキシコ(2) EF70-300mm F4-5.6L IS USM(2) カー用品(2) Cinemagraph(2) スタジオ(2) スイス(2) 楽器(1) EF16-35mm F4L IS USM(1) iPhone X(1) iPad Pro 10.5 inch(1) iPhone 8(1) カテゴリ
記事ランキング
以前の記事
2024年 03月 2024年 02月 2024年 01月 2023年 12月 2023年 11月 2023年 10月 2023年 09月 2023年 08月 2023年 07月 2023年 06月 2023年 05月 2023年 04月 2023年 03月 2023年 02月 2023年 01月 2022年 12月 2022年 11月 2022年 10月 2022年 09月 2022年 08月 2022年 07月 2022年 06月 2022年 05月 2022年 04月 2022年 03月 2022年 02月 2022年 01月 2021年 12月 2021年 11月 2021年 10月 2021年 09月 2021年 08月 2021年 07月 2021年 06月 2021年 05月 2021年 04月 2021年 03月 2021年 02月 2021年 01月 2020年 12月 2020年 11月 2020年 10月 2020年 09月 2020年 08月 2020年 07月 2020年 06月 2020年 05月 2020年 04月 2020年 03月 2020年 02月 2020年 01月 2019年 12月 2019年 11月 2019年 10月 2019年 09月 2019年 08月 2019年 07月 2019年 06月 2019年 05月 2019年 04月 2019年 03月 2019年 02月 2019年 01月 2018年 12月 2018年 11月 2018年 10月 2018年 09月 2018年 08月 2018年 07月 2018年 06月 2018年 05月 2018年 04月 2018年 03月 2018年 02月 2018年 01月 2017年 12月 2017年 11月 2017年 10月 2017年 09月 2017年 08月 2017年 07月 2017年 06月 2017年 05月 2017年 04月 2017年 03月 2017年 02月 2017年 01月 2016年 12月 2016年 11月 2016年 10月 2016年 09月 2016年 08月 2016年 07月 2016年 06月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 03月 2016年 02月 2016年 01月 2015年 12月 2015年 11月 2015年 10月 2015年 09月 2015年 08月 2015年 07月 2015年 06月 2015年 05月 2015年 04月 2015年 03月 2015年 02月 2015年 01月 2014年 12月 2014年 11月 2014年 10月 2014年 09月 2014年 08月 2014年 07月 2014年 06月 2014年 05月 2014年 04月 2014年 03月 2014年 02月 2014年 01月 2013年 12月 2013年 11月 2013年 10月 2013年 09月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 02月 2013年 01月 2012年 12月 2012年 11月 2012年 10月 2012年 09月 2012年 08月 2012年 07月 2012年 06月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 最新のコメント
ファン
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||