私は
蛍を見たことがない。もちろん「北の国から」は見たことがある。
自身、都会と田舎の狭間なようなところで育ち、今もそこに住んでいる。
子供の頃から都会よりも自然が好きで、蛍が生息しそうな場所には頻繁に訪れてはいるのだが
今まで見たことも、見ようとしたこともなかった。
ただ蛍が乱舞する写真は撮ってみたいと思ってはいた。
一眼レフや三脚、写真撮影の基礎知識を持ち合わせているのに、今まで撮りに行かなかったのが不思議なくらいだ。
近くにそんな場所があればの話しだが・・・。
それがあった。知らなかった。
場所的には横浜市と比較的近所ではある。何?横浜!?
そう「横浜」と言ってもベイエリアではなく、内陸側には自然豊かな里山っぽい場所も多い。
そこでは5月下旬から6月上旬にかけて多く見られるというので、6月半ばに差し掛かろうとしている
土曜日に出かけてみた。
こんなにもド田舎があったのかという田んぼ沿いの場所に、土曜日とあって子連れの蛍見物客がたくさんいた。
薄暮から徐々に東側の空から夜の帳が下りてゆくと同時に、子供たちのギャン騒ぎは増す一方。
引っ切り無しにクルマも訪れ、そのヘッドライトが実に邪魔で、およそ蛍見物とは縁遠い場所だと思った。
日暮れとともに飛びはじめ光り出すという蛍だが、蛍どころかクルマが往来するライトが酷く
例え蛍が乱舞したとしても、これでは写真にならないしその雰囲気でもない。
蛍が見られると言っても、所詮「ヨコハマ」なんだと実感した。
クルマや家族連れが立ち入らないような暗闇の里へも足を踏み入れてみたが、その光を捉えることはならなかった。
初の蛍見物は空振りに終わり、帰り道を歩いていると、森の中がザワついていた。
真っ暗な森へと足を踏み入れ奥へ奥へと行ってみると、暗闇の中をひとつの光が明滅しながら高みへと
上がってゆくのが目に入った。「蛍だ!」
「乱舞」とはかけ離れているが、多くて2〜3個の光が浮遊する時もあった。
慌てて三脚を立て、次に光る方向にレンズを向け、真っ黒なファインダーを覗く。
どこにフォーカスを合わせて良いかすらわからない。
画角もフォーカスもわからないまま撮った1枚の写真に蛍の光跡が写っていた。
結局そのたった1枚だけだった・・・。
もっと足を延ばして、場所を吟味して、改めて蛍写真を狙ってみたい。
あとひとつ思うんだけど、都心近郊の週末にこれだけの人数が集まってしまうと、現場でも感じていたんだけど
蚊に刺されないように蚊取り線香を焚く人もいたり、虫除けスプレーなどの処理をする人も多いだろう。
それって蛍に影響ないのだろうか?
<Canon EOS 6D + EF35mm F1.4L USM>
中央やや左に
蛍の光跡が
上部の光は樹々の合間から覗く夜空
高級住宅地のすぐ裏に、こんな里山があったとは・・・
肉眼では結構真っ暗なんですよ
眩しいって(゚ロ゚)!
ダメだこりゃ・・・
蛍が出た森(わかりづらいけど)