今回の山行で、独標からの下降がもっとも緊張する場面だった。
それ以外に危ないところは一切ないんだけどね。
三点支持の原則を徹底しながら、斜面に正対して下ってゆく。
しっかち掴める岩を確保しつつ、足を安定したポイントへ運ぶ。ピッケルはダガーポジションで
安定した雪面に打ち込む。大袈裟かも知れないが、場所によってはこのピッケルに命を託す。
だって滑ったら信州側に数百メートルは滑落必至なんだもん。そりゃ緊張しますよ。。
心拍が大きくなっていることと呼吸が荒くなっていたことに自分でも気づく。
コルに下降してから12峰を越えるところまでは、十二分に時間をかけ慎重を喫した。
無事難所?をクリアした後も気は抜かない。今度は左頬が冷たく、顔を動かしながら血流を顔面に回す。
丸山まで来ればもうひと安心。下ってきた稜線を振り返りつつ、西日を受けながら散歩気分で山荘へ下った。
15時40分に西穂山荘へ戻った後は、部屋で寝転びながらゆっくり過ごした。
日没は16時45分頃、夕食は17時30分からだ。
夕景撮影に16時30分に外へ出ると、すでにアーベントロートははじまっていて、向かいの霞沢岳の尾根筋が
赤く染まっていた。西側が辺り一面を赤く染め抜いていて圧巻の光景だ。寒いはずなのに温かい光。
太陽が遥か西へ沈むまで、寒さによる指先の痛みを忘れられた。
太陽が沈んだ後も、雲ひとつない空は劇的な色を魅せつづけてくれたのだった。
さて、ほぼ昼食を抜いているので、夕食は何よりの愉しみ。
メインディッシュはハンバーグ。生鮮野菜も添えられているのが嬉しい。歩荷で荷上げてくれたことに感謝だ。
ご飯とけんちん汁は、無くなるまでおかわり自由。ありがたくおかわりも頂く。
翌日からのクリスマスイベントを控えてか、すでに山荘内はクリスマスデコレーションいっぱいで
気分も上がるとか上がらないとか。
そしてもうひとつの愉しみ、普段の日帰り登山では出来ない星空撮影。
しかし!夕食時に支配人の粟澤さん(気象予報士)が、夜半から午前中にかけてはそれまでの予報と変わって
雪が降ると発表され、宿泊者一同がどよめいた。みんなこの2日間は問題なく晴れ!だと思っていたからだ。
夕食後には不穏なガスが発生し出し、星空撮影が危ぶまれた。
山小屋に泊まると晴れていても夜間はガスるという自分のジンクスが、さらに証明されそうだ・・・。
同部屋の星空撮影狙いの人の調べで、21時過ぎになれば晴れ間が出るらしいと言うが、寝不足もあって
19時過ぎにはふて寝を決め込んだ。運良く起きれて晴れてれば、撮影できるかなと・・・(つづく)
<Canon EOS 6D>
EF24-105mm F4L IS USM
サンセット
山荘ディナー
EF70-300mm F4.5-5.6 DO IS USM
独標からの下り
難所をクリアして独標を振り返る
山荘前では雪上テント準備
野ウサギの足跡
EF24-105mm F4L IS USM
霞沢岳
見事なアーベントロート
白山幻想
暮れなずむテント場
山荘の窓のデコレーション
山荘内フォト
夜間もずっとストーブが付いてて、山荘内は夜中もあたたか〜い
夜霧よ今夜もありがと〜よ!怒