意外にもすんなり眠りに就けたが、ふと夜中の1時過ぎに目が覚めた。
ちょうど寝床の頭の所に小窓があり、暗闇に目を凝らすと、眼下に夜景が広がっていた!
雲海の中に黒い山々が見え、安曇野の街灯りが見えていたのだ。晴れてる!
もう興奮で目が冴えて、それからは隣りの先輩のバリエーションに富んだイビキも相まって、眠りが浅くなった。
先輩の友達は夜中外へ出たようで、満天の星空を見たようだった。
目覚ましを日の出30分前の5時15分にセットしておいたが、5時頃になると他の登山客も起き始め
つられて起きた。
外気温計は4.9℃を指している。外へ出ると手がかじかむ真冬の寒さだ。
玄関を出ると「おぉぉぉ!」と一様に感嘆の声をあげる。雲海が眼前に広がっているのだ。
テーブル席もいくつかあるので、まさにそこは「雲海テラス」。先輩たちはホットコーヒーを味わっている。
自分はひたすらレンズを替えつつ、写真を撮りまくる。御来光のひとときはほんの一瞬だ。
しばらく雲海や街灯りを撮影していると、太陽が昇ってくるのがわかる。
なんとも暖かく、ものすごい存在感。
日の出に照らせれ、周囲の山容がわかりはじめる。花崗岩と紅葉の色が相まった燕岳がそびえる。
太陽の反対側を見ると、陽光が北アルプス裏銀座に帯状に照らしている。
それと何と言っても、槍ヶ岳のてっぺんから次第に太陽が照らしていくさまは写真だけでは伝えられない!
「来年必ず槍の頂きに立つ!」と誓い合った我々であった。
太陽が出てきて数分後、下界から雲が湧いてきた。それはあっと言う間に燕山荘を飲み込み、昨日までの
ガスってるだけの景色に戻ってしまった。気温上昇にともなう雲の発生だから仕方がないか・・・。
一瞬でも「あの」景色が見られただけで、来た甲斐があった。また来ればいいことだし。
日の出の時間とともに朝食時間となる。
食事と支度を済ませ、もう霧の中に消えてしまった燕岳へいよいよ向かい一行であった。
<Canon EOS 5D>
EF24-105mm F4
L IS USM
夜明け前
御来光!
来るかっ!
EF70-300mm F4.5-5.6
DO IS USM
燕岳山頂に人影が
槍が姿を現した!
EF24-105mm F4
L IS USM
なんと美しい山容だろうか・・・
裏銀座にも朝がやってきた
行く手は晴れているぞ!
・・・も束の間、一気に霧の中へ舞い戻る
朝食