大キレットに後ろ髪を引かれながら、デポしたザックを担ぎ直し、南岳へ登り返し中岳方面へ戻ってゆく。
9時40分、再び天狗原分岐まで戻ってきた。
ここからは眼下の氷河公園に下ってゆくのだが、なかなか険しい道とガイドブック書いてあったのを思い出した。
どんなもんかと下るや否や、すぐに下り応え満点のルートだとわかる。
浮石だらけのかなりのガレ場で、落石させないよう細心の注意を払いながら行かなきゃだ。
すぐにハシゴやクサリ場が続き、高度をグングン下げるも、氷河公園はなかなか近づかない。
槍の穂先に雲がかかっては台無しの風景になってしまうので、気ばかりが焦る。
永遠とも思える下りの岩場を次々渡り、平坦な足場のあまり無い岩の角から角へ足を運んでゆく、少々危険な状態が続いた。
すれ違った登山者に挨拶を交わすと「まだまだ下りが続きますよ〜」と言われたが、こちらは口には出さずに
心の中で「まだまだ登りが続きますよ〜」と言っていた。
たっぷり1時間も下ると、ようやく氷河公園らしく、依然雪渓が残っているところまで来た。
踏み抜かないように慎重に雪渓を渡り、また岩場を歩いていると、下の方から雪解け水と思われる沢音が聞こえた。
そして10時50分、ついに天狗池に到着した。
大キレットとともに是非見たかった景色が、この天狗池に映る逆さ槍だ。
8月中旬頃からようやく姿を現す、雪解け水によって作られる池なんだけど、この時は2つ池があった。
1つは、風の影響もなく鏡のような水面ではあるものの、浅いのと映る角度があまりよろしくない池と、
もう1つは、雪解けの水滴と風の影響で鏡面とは言えないけど、バッチリ逆さ槍が見える池。
小さな湖畔には、この絶景を眺めながら休憩したり、食事したりの人達が集まっている。
セルフ撮影したりして、たっぷりこの絶景を味わった。紅葉の季節に、またここからの景色を見てみたい!
(もういっちょ)
<Canon EOS 6D + EF24-105mm F4
L IS USM>
天狗原(氷河公園)へ
天狗原分岐
大キレットっぽくない?
槍ヶ岳と3つの山小屋
遥か槍沢
氷河公園らしくなってきた
1つ目の池
もう1つの池
天狗池と常念岳